多くの方が高値、安値の判断のしやすさから自国通貨である日本円と外貨との通貨ペアをトレードで選択されているのではないでしょうか。しかし、世界規模で見れば米ドルが最も取引量が多く、日本円を含めて他の通貨に及ぼす影響が大きいと言えます。
ドルストレートとは

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通貨ペアのうち、一方が米ドルになっているペアをドルストレートといいます。具体的には次のような通貨ペアを指します。
- 米ドル/円
- ユーロ/米ドル
- ポンド/米ドル
- 豪ドル/米ドル
- 米ドル/スイスフラン、等
ドルストレートの通貨ペアの特徴

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ドルストレートの通貨ペアの特徴に米ドルの取引量が大きいため、米ドルとの通貨の強弱がある場合に値動きが大きいことがあります。特に米ドルを本国通貨とする米国のニューヨーク時間は米ドルがニューヨークダウなどの株価指数や米国債の利回りに敏感に反応して動くことがあり、その影響からドルストレートの通貨ペアの値動きが大きくなる場合があります。
また、同じドルストレートの通貨ペアでも、米ドル/円やユーロ/米ドル、ポンド/米ドルは値動きのそれぞれ特徴があります。米ドル/円の場合はリスク回避の思惑が強い場合に値下がりする傾向が、ユーロ/米ドル、ポンド/米ドルは英国を含むヨーロッパ圏の景況と米国の景況を比較した判断から売買が行われる傾向があるようです。
ドルストレート以外の通貨ペアの特徴

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ドルストレート以外の通貨ペアで米ドル以外の通貨同士のペアをクロス通貨又は合成通貨といいます。クロス通貨のうち、一方が日本円であるものはクロス円といい、次のペアが該当します。
- ユーロ/円
- ポンド/円
- 豪ドル/円
- スイスフラン/円、等
クロス円は一見すると米ドルと関係がないように見えますが、実際の外貨の取引では日本円とユーロやポンド、豪ドルやスイスフランが直接売買されることは少なく、多くの場合は基軸通貨である米ドルに両換えして売買します。よって、次のように考えるといいでしょう。
- ユーロ/円:ユーロ/米ドル×米ドル/円
- ポンド/円:ポンド/米ドル×米ドル/円
- 豪ドル/円:豪ドル/米ドル×米ドル/円
- スイスフラン/円:スイスフラン/米ドル×米ドル/円
このようにドルストレートの掛け合わせとなっているので、米ドルそのものの価値の変動によってこれらのクロス円の通貨ペアは値動きに影響を受けると言えます。
ドルストレートと通貨ペア選びのポイント

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日本人に馴染みやすいクロス円の通貨ペアに関して、通貨の相対的な強さにも注目します。ユーロ/円はユーロ>米ドル>日本円の順の通貨強さの順となった場合、ドルストレートのユーロ/米ドル、米ドル/円の掛け合わせ効果で値上がり方向の力がより強くなります。逆にユーロ<米ドル<日本円の順の通貨強さの順となった場合、値下がり方向の力がより強くなります。
ポンド/円や豪ドル/円についても、同じ傾向が見られます。他方、米ドルの強さが変動しやすいニューヨーク時間では、その影響を受けてクロス円の値動きは不安定になる場合も。こうした時はドルストレートの通貨ペアがトレードしやすいかもしれません。
通貨ペア選びの際には通貨同士の相対的な強弱を把握しておけばトレードを進める上でアドバンテージになります。
まとめ

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ドルストレートの知識を元に、通貨ペアを選ぶ場合は次の3つに注目するといいでしょう。
- 米ドルの価値が変わりやすいニューヨーク時間はドルストレートの通貨ペアの値動きに注目
- 米ドルの価値が比較的安定するアジア・オセアニア時間、ヨーロッパ時間はクロス通貨の動きにも注目
- クロス円は米ドル/円ともう一方のドルストレートの通貨ペアの方向性が一致した場合に大きな値動きが出やすい
通貨ペアを選ぶ際には、ドルの価値がどのように変化しているのかをチェックされるといいでしょう。

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