FX取引で生じた損失は、FX口座に預けた証拠金から支払われます。損失を出し続けると証拠金が目減りしていきますが、こうした状況を「資金が溶ける」と表現することがあります。今回ご紹介するドローダウンのドローは「溶ける」、ダウンは「落ちる」ということで、証拠金の目減りを把握する上で重要な尺度です。
ドローダウンとは

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ドローダウンとは「溶け落ちる」こと。FXで使うドローダウンは、資金の目減りを意味し、証拠金の減少の度合いを示す尺度で用いられることが多いです。トレードで損失が出るのは仕方がないことですが、損失を繰り返していると証拠金の減少が早くなります。
損失が出た時点で早めに損切りを行い、含み損を抱えないようにしておけば問題ありませんが、望ましくないのは相場の反転を待って損切りせずにそのまま放置してしまうこと。相場の反転がなければドローダウンで証拠金がさらに減り、注文した金額が大きければ強制ロスカットで大きな損失となってしまいます。
ドローダウンの見方

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チャートを見ながらトレードする場合、トレーダーの裁量でいつでも損切りできますが、24時間自動売買でおまかせの場合、そうしたことは自動売買ソフト任せになってしまいます。そこで自動売買ソフトを選ぶ際の重要な項目としてチェックしておきたいのがドローダウンの大きさです。
ドローダウンの見方としては過去や現時点の運用成績を時系列で示したグラフの形状が滑らかかどうかの他、最大でどのぐらいのドローダウンが生じるのかは確認しておくといいでしょう。最大ドローダウンが小さければ、強制ロスカットの危険は低いと判断できますし、そうでなければ安心して使えないと判断できます。
ドローダウンを減らすには

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ドローダウンを減らすには、ポジションを持つ時間を短くすればいいでしょう。ただし、ポジションを持つ時間を短くすればドローダウンの減少とともに、得られる利益も減ってしまうことが殆ど。FX取引において、利益と損失はコインの裏表のようなものですから、ドローダウンを少なくしたいとトレードすれば、ローリスクローリターンの傾向が強くなります。
トレーダーの裁量で注文と決済を行う場合は、ドローダウンを最小とすることを意識したトレードは出来ますが、自動売買ソフトは裁量トレードに比べて融通が利かない部分があります。よって最大ドローダウンが小さいものが安心と言えるかもしれません。ただし、公開されている最大ドローダウンが過去何年分のデータを根拠にしたものであるか、今後の相場の急変で大きく変わることがないかよく検討することも重要です。
まとめ

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FX取引で生じるドローダウンをどこまで許容するかの判断は、トレーダーの考え方によって違いが出ます。資金に余裕があればドローダウンが大きくなっても、その反動で利益が大きく伸びるチャンスを狙えるかもしれません。
逆に資金に余裕がなければ、利益が大きく伸びるチャンスが来る前に、資金不足で退場になることもあります。得られた利益と生じた損失の比率を示す、プロフィットファクターと合わせて、ドローダウンの評価を行うことが重要でしょう。

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