為替リスクの正しい理解と減らす手法まとめ

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この記事の所要時間: 323

海外との取引において、為替の水準は重要です。海外の会社と直接取引している国内の会社は勿論、海外から様々な商品や私たちの生活に必要不可欠な石油や天然ガスといったエネルギーなどの価格も為替の水準に大きく左右されます。こうした影響をなるべく避けるためにリスク管理は重要と言えます。

為替リスクとは

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出典:pixabay

為替リスクとは為替変動によって受ける悪影響や不利益のこと。海外から商品を輸入する場合は日本円を外貨に換金し、輸入する商品代金を支払います。輸入に関する契約の後、納品して代金を請求、実際の支払いまでの間に日本円に対して外貨が割高になると、それだけ沢山の日本円が必要となり、輸入する側の会社は損をしてしまいます。

海外へ輸出する場合は輸出した商品の代金を外貨で受け取り、日本円に換金します。輸出に関する契約の後、納品して代金を請求、実際の支払いまでの間に外貨に対して日本円が割高になると、それだけ受け取る日本円が減ってしまい、輸出側の会社は損をしてしまいます。

日本円に対して外貨が割高になると海外から商品を輸入する会社は為替差損を生じ、海外へ商品を輸出する会社は為替差益が生じます。これに対して外貨に対して日本円が割高になると海外から商品を輸入する会社は為替差益を生じ、海外へ商品を輸出する会社は為替差損を生じます。

為替リスクを減らすには

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為替変動が想定を超えてしまうと、海外との取引をする会社の損益に様々な影響が出ます。海外との取引をする場合は為替差損を受けるリスクを避けるために、様々な手段が講じられます。ここでは代表的な手法をご紹介します。

先物で減らす

先物は将来の料金支払い時点の為替レートを、現在の契約時点で決めてしまう場合などがあたります。為替変動で為替差益を受けることはありませんが、為替差損をこうむることもありません。為替リスクを避ける、比較的わかりやすい仕組みです。

この手法は将来の為替レートを現時点で決めてしまうことで、為替リスクを減らします。

借入れで減らす

為替リスクを借入れで減らすことも可能です。具体的な例として現在時点である売買契約時点で、海外へ輸出する商品の受け取り代金分を外貨建てで金融機関から借入れ、日本円に換金しておきます。その後に輸出先から外貨建てで代金が入金された時点で金融機関に借りていた外貨建て商品の受け取り代金分のお金を返済します。利払いが生じますが、為替による影響は避けることができます。

この手法は利息の支払いによって、為替リスクを減らします。

オプションで減らす

オプションは外貨を売買する「権利」のこと。有償でオプションを購入すれば、「権利」を行使することが可能となります。「権利」を行使するかしないかは、「権利」を買った側の自由で、将来時点で為替差益が出る場合には「権利」を行使し、将来の有利な為替レートの適用でいいですし、そうでない場合は「権利」を放棄し、現時点の為替レート適用で、将来の為替差損の発生を避けるようにします。

この手法はオプション料の支払いによって、為替リスクを減らします。

まとめ

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出典:pixabay

為替リスクを減らす手段は、様々ありますが一例として次の手法があります。

  • 将来の為替レートを現時点で決めることで、為替リスクを減らす手法
  • 利息の支払いによって、為替リスクを減らす手法
  • オプション料の支払いによって、為替リスクを減らす手法

国境を越えて商品やサービスがやり取りされることが当たり前の現在、FXをされている方はもとより、海外との取引をしている会社や個人、外貨建て金融商品で資産運用している方など多くの方は為替変動に関する意識を常に持っておく必要があるでしょう。

日本から遠く離れた国でおきたことが、為替変動を通じた物価上昇といった形で私たちの暮らしに悪い影響を及ぼす場合があり、為替水準には常に関心をもっておきたいものです。

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