移動平均とは?トレードに役立つ知識まとめ

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この記事の所要時間: 421

未来の値動きは現在までの値動きの特徴を分析し、その分析を元に予測することが多いです。現在までの値動きの特徴を把握する上で重要なのがこれまでの値動きのデータの平均値と、各データと平均値の離れ具合の大きさを示す偏差です。一定の時間の幅で区切った範囲の平均を、時系列的に見ていく移動平均の考え方は重要です。

移動平均とは

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出典:pixabay

移動平均は平均値の計算値の一つで、時間とともに変動するデータでよく用いられます。平均はいくつかのデータを合計して、そのデータの数で割って計算しますが、移動平均も計算の手順は同じです。違いは平均値がデータ値だけで求める平均値なのに対し、移動平均は時間の概念を加えていることです。

時間と共に変動するデータを一定の時間枠ごとに区切り、それらの時間枠を現時点から過去にずらし(移動させ)ながら平均値を計算していくのが特徴で、一定の時間枠の幅の長短によって異なった値となるのが特徴です。

移動平均を視覚的に確認してみよう

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draw by:author

文字ではなかなかわかりにくい移動平均の理解のため、図で移動平均を確認してみます。横軸に時間、縦軸に価格をとり、時間の経過に伴う価格の変動が黒の折れ線のような軌跡であったとします。連続する時間を一定の時間枠T1、T2、T3で区切り、それぞれの平均価格を計算したものAve1、Ave2、Ave3が各々の時間枠に対応する移動平均価格です。

一定の時間枠Tを小さくすればするほど、移動平均価格の値は価格そのものの値に近づきます。紫色の直線は各移動平均を結んだものですが、一定の時間枠Tを極端に小さくすれば黒の折れ線である価格の変動そのものに近い折れ線形状となり、時間枠Tを大きくするほど、より勾配の緩やかな水平線に近い滑らかな曲線となり、黒の折れ線である価格の変動そのものに対してズレが出ます。

移動平均でわかること

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出典:pixabay

移動平均して計算した価格は現価格より過去に向かって一定の時間枠をとって平均している分、現価格とズレが生じます。現価格とのズレは時間を区切る一定の時間枠Tが小さいとあまり目立ちませんが、一定の時間枠Tをある程度大きくすると、プラスの方向やマイナスの方向にズレが大きくなる場合があります。

移動平均で計算した価格と現価格のズレを次のように定義します。

  • ズレ=移動平均で計算した価格-現価格

ズレがプラスかマイナスかで、価格が値下がりする方向なのか、値上がりする方向なのかがわかります。

  • ズレがプラス=移動平均して計算した価格>現価格:価格は値下がりする方向に動いている
  • ズレがマイナス=移動平均して計算した価格<現価格:価格は値上がりする方向に動いている

価格が値下がりする方向なのか、値上がりする方向なのかがわかれば、売り目線でトレードするのか、買い目線でトレードするのか判断できるでしょう。

移動平均のタイプ

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出典:pixabay

移動平均を計算する際に、データの構成比は一律であるのが普通です。例えばデータが5つなら各データの構成比は20%づつ(100%÷5=20%)となります。この構成比を現時点のデータについて増やし、過去に遡るに従って段階的に減らしていくということもできます。

例えば5つのデータがあり、各データ値は現時点から過去に向かって1、2、3、4、5だったとして、この平均値を計算すると3ですが、現時点1のデータの構成比を50%とし、過去に向かって2を20%、3を15%、4を10%、5を5%とすれば平均値は2となり、現時点のデータ値である1に近づいた値となります。

移動平均の計算において、現時点の近いデータ値の構成比を高くすることで、現時点の価格変動をより反映したタイプの移動平均を計算することができます。

移動平均の注意点

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出典:pixabay

移動平均の注意点として、中長期の相場の傾向の把握には役立ちますが、短期の価格変動への反映は遅れがちになることがあります。

特に短期的に突発的な大きな値動きで値上がり、値下がりした場合があった場合、その値動きの移動平均への反映は、移動平均を計算する場合の時間枠の大きさ、計算に用いるデータの構成比もよりますが、通常の場合は必要な判断をするタイミングよりかなり遅れます。

投資家心理から激しい上昇や下降がおきる不安定な相場環境でトレードする場合、短期的に突発的な大きな値動きに対処するには、移動平均以外の指標でこの欠点を補完する必要があります。

まとめ

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出典:pixabay

移動平均は、現在の相場環境が値下がりする傾向にあるのか、値上がりする傾向にあるのかを中長期的に判断する上で有用です。移動平均の計算を元に作成される移動平均線はチャートに表示されていることが多いです。

ただし、移動平均線は突発的に生じる短期的な相場環境の変化について、平均化されて小さくなったり、反映されるまで時間がかかりがちになりますので、そうした部分を補完するツールが必要となる点に注意が必要です。

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