ファンダメンタル分析とは?概要と注意点を確認しよう!

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この記事の所要時間: 338

値動きそのものについてこれまでの動きを分析するテクニカル分析に対し、その値動きの背景にある経済的基礎要件をファンダメンタルといい、値動きの背景にあるファンダメンタルを分析することも、今後の値動きを予測する上で重要になります。

ファンダメンタル分析とは

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出典:pixabay

ファンダメンタル分析は本質的価値を決定する背景となるデータをもとに分析を行うことで、為替取引の場合は通貨ペアに関係する経済状況を示すデータ、具体的には経済成長率や物価、賃金上昇率の他、財政収支や貿易収支などがあります。

価格変動に対して直接的な分析を行うテクニカル分析に対し、価格を価格付けの基礎となる本質的な価値の切り口から分析するのが特徴です。ファンダメンタル分析とテクニカル分析を併用して市場の動向を分析するのが一般的となっています。

ファンダメンタル分析の考え方

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市場で形成される価格は売り手と買い手の思惑や期待といった心理的な要素も大きく影響するのに対し、ファンダメンタルと呼ばれる本質的価値は、突発的で予測できなかった事柄、具体的な例としてはリーマンショックやギリシャ危機のような金融恐慌、通貨危機のような出来事を除き、急に変わるということはないのが通常です。

時々刻々変動する市場の取引価格においても、価格は長い期間で見れば、価格付けの対象の本質的価値に見合った価格に近づいていくと考えられます。一時的に市場価格とファンダメンタルに基づく理論価値が乖離することはあっても、いずれは一致する方向に動くので、中長期的にファンダメンタルを重視しようというのが分析の考え方です。

ファンダメンタル分析の対象

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ファンダメンタル分析は為替取引以外に、株式投資などにも用いられます。取引の内容でファンダメンタル分析の対象は変わります。例えば、国と国との間の通貨の価値変動に基づく為替取引の場合、その国の経済状況、財政状況の他、失業率や平均賃金の動向、消費や投資の動向など多岐に及びます。

これに対して株式投資の場合、企業の決算など業績に関するデータが分析の対象となります。具体的には株価の変動に影響を与える利益に関するデータの他、会社の資産の状況や配当率などがあります。こうしたデータから株主一人当たりの利益や資産を計算し、現時点の株価と比較して割安なら買い、割高なら売りといった判断に役立てることができます。

ファンダメンタル分析の注意点

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出典:pixabay

ファンダメンタル分析の注意点として、ファンダメンタルが既に市場に織り込まれている場合、公表されたファンダメンタルの数値に対する値動きの反応が鈍くなる場合があります。また公表したソース元によって信頼度の違いから市場の反応が変わることも。これとは逆に事前に予想していたファンダメンタルの数値とは全く違った結果が判明した場合、経済的に重要度が低いと思われるファンダメンタル項目であっても、市場価格が大きく動くことがあります。

このように、ファンダメンタル分析はテクニカル分析のように決まった方向性を見つけにくい場合があり、市場に参加している売り手と買い手の思惑が複雑に交錯して、公表されたファンダメンタルの数値解釈もバラツキがあるため、市場価格がランダムに大きく動く場合があり、ファンダメンタルの予想だけでトレードすると短期的に大きな損失を受けることがあります。またこうした状況ではテクニカル分析が効かないことが多いです。

まとめ

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出典:pixabay

ファンダメンタルという本質的な価値を分析することで、その価値に対して現在の市場価格が割高か割安かの判断に役立てることができます。加えて市場価格は時間とともにファンダメンタルに見合った価格に近づいていくことから、これらを利用して中長期的なトレード戦略を立てることができます。

反面、短期的な値動きにおいてはファンダメンタルと乖離する場合があり、ファンダメンタル分析の結果と値動きの実態が常に一致するとは限らないため、市場取引者のファンダメンタルに関するデータ公表前の予想や、データ公表後の衝撃の大きさなどファンダメンタル分析対象以外の要因が価格に及ぼす影響に注意する必要があります。

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