GDPとは?トレード初心者向けに簡単に解説!

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通貨ペアに関係する国の経済指標は、その内容によって値動きに大きな変動が生じる場合があります。経済指標のうちで、一国の経済規模を示すGDPはその大きさとともに、成長率は経済の好不調を測る上で最も基礎的なものと言え、その数値を織り込んで、公表される時間の前後は注意が必要です。

GDPとは

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出典:pixabay

GDPは一国内の経済規模を表す指標で、Gross Domestic Product(国内総生産)のことです。国内で生産された付加価値の合計のことで、付加価値とは取引によって新たに付け加えられた価値を意味します。イメージとしては売値と仕入れ値の差といった感じかもしれません

国内にある日本企業の他、日本の家計は勿論、日本国内で営業する海外の企業や在留する外国人家庭の経済取引で生じるものもGDPに含まれます。国内の取引が活発なほどGDPは大きくなります。そうした意味でGDPの増加率は経済の好調さを示すバロメータとすることができます。

GDPの種類

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出典:pixabay

GDPには名目GDPと実質GDPの2種類があります。名目GDPは価格ベースで把握したGDPで物価の上昇によるお金の価値の目減り、下落によるお金の価値の増加の影響を考慮していません。これに対して実質GDPはこうした影響を排除して計算したGDPです。

モノの値段はモノを買いたい人と売りたい人の合意する価格で決まりますが、モノ不足ならこの価格より高い値段が付くでしょうし、モノ余りなら安く買い叩かれるかもしれません。そうしたことを考慮し、その影響を除外してより実態のGDPに近づけたものが実質GDPと言えるかも知れません。

GDPの3つのアプローチ

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出典:pixabay

GDPは次の3つの面からのアプローチで把握することができます。

  • 生産面
  • 分配面
  • 支出面

生産面はGDPが国内で生産された付加価値の合計という最初の定義のとおりですが、分配面、支出面とはどういう意味でしょうか。

分配面GDP

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生産されたGDPは、その生産に関係した対象(労働した人や稼働した機械など)に分け与えられます。仕事をすれば、売り上げから給料が払われるといったイメージですね。経済学的には次の式で表記されていることが多いです。

  • 分配面GDP=雇用者所得+営業余剰+固定資本減耗+間接税-補助金

雇用者所得は給料や賃金全般、営業余剰は会社の経営者のボーナスや株主への配当など人への分配です。固定資本減耗は生産活動で使った設備の使用による価値の目減り、例えば商品の運搬にトラックを使えば走行距離に比例してタイヤがすり減るといったイメージです。税金や補助金は政府の関与する部分です。

支出面GDP

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分配されたGDPは消費の他、一部はGDPの再生産に必要な設備など固定資本、商品や原材料、部品などの在庫購入への投資に向けられます。この他に国外への輸出や輸入による付加価値の増減も関係し、経済学的には次の式で表記されていることが多いです。

  • 支出面GDP=民間最終消費支出+政府最終消費支出+総固定資本形成+在庫品増加+輸出-輸入

輸出は海外の人からもたらされた付加価値として加え、輸入は国内から海外に移転した付加価値として減じます。民間最終消費支出は民間部門消費活動で支出された付加価値、政府最終消費支出は公務員の給与、支出された補助金などが該当します。

GDPと経済成長率の関係

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GDPの速報値は三四半期ごと集計され、一次と二次に分けて公表されます。速報値以外に公表されるのが改定値、確報値です。確報値といっても常に数値が見直されるのが普通です。三四半期の数値を年率換算した数字が1年のGDPの見込み値として合わせて公表されます。

注目されるのは、GDPの数字そのものよりも、前回と比較していくら増えたのか、減ったのかをパーセンテージで示した成長率という指標でしょう。GDPに関する成長率は経済成長率とも言われ、この数字が高いほど経済が好調であると判断され、そうした国の通貨は買われやすくなります。

GDPと値動き

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GDPや成長率の数値そのものより、予想値に対する公表値の大小が値動きの大小に影響するポイントです。予想値と公表値の差が小さい場合より大きい場合のほうが、値動きはより大きくなります。公表前には予想値の方向に為替レートが変動していても、公表直前近くになって反対の方向に値動きしはじめる場合があり、その場合は予想値に対する公表値のズレが大きかったというケースがしばしば見られます。

まとめ

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GDPは一国内の経済規模を表す指標で、経済指標の種類としては比較的にわかりやすいと言えるでしょう。GDPは国の経済規模の他、国民一人当たりに換算することで、その国の国民の経済的な豊かさを示す指標ともなっています。

GDPのこうした特徴から、その公表の日は関係する国の通貨のレートが大きく変動することがあります。特に注目なのは、世界第一の経済規模を持つアメリカのGDPが公表される時間帯の前後の為替レートの変動ではないでしょうか。

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