FXのトレードの際にチャートには時々刻々データが送られ、表示が更新されていきますが、こうした更新が行われる最小単位のデータはティックと呼ばれます。ティックの単位で値動きを追跡することで、売買のタイミングを計ることが出来て有利なトレードが出来る場合があります。
ティックチャートとは

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ティックチャートは、売買成立(約定)の都度チャートを更新するティックデータをヨコ軸に時間、縦軸に価格をとってグラフ化して描画したもので、1ティックごとにチャートを更新して表示するタイプ以外に、10ティックから70ティックといった感じで一定の量にティックが溜まった時点で表示するものがあります。
ティックとは時計の秒針が時を刻む音に由来した語句で、価格が時々刻々変動することを最小の単位で示すという意味で使われます。ティックチャートは時間足よりもさらに細かい単位の相場の値動きを追跡するのに適しています。
ティックチャートのメリット

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ティックチャートのメリットに次のことがあります。
- 相場の値動きを最小の時間間隔で追跡できる
- ティックチャートの更新の頻度によってトレードの繁閑がわかる
ティックチャートは相場の値動きを最小の時間間隔で追跡できるので、エントリーや決済のタイミングの精度を高めるのに適しています。また、ティックチャートの更新の時間間隔が短ければトレードが活発で、エントリーから決済までの時間を短く出来、長くポジションを保有することによる含み損を抱える前にロスカットする判断がしやすいです。
ティックチャートの注意点

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ティックチャートの注意点に次のことがあります。
- ティック更新の間隔を短くしすぎると、値動きに翻弄されることがある
- ローソク足に比べて使えるインジケータが少ない
損切り幅を少なくしようとしてティック更新の間隔を短くしすぎると、値動きに翻弄されて、かえって損切り回数が増えてしまうことがあります。ティック更新の間隔が1では値幅が小さすぎてトレードになりません。少なくても10ティック以上、よく使われるのが70ティックで更新するチャートとなっています。
ティック更新の間隔を長めにとると、値動きの方向性はわかりやすくなりますので、ティックチャートでトレードする場合、最初のうちはティック更新の間隔を少し長めにするといいでしょう。
ティックチャートの使い方

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ティックチャートの使い方の基本は、エントリーと決済のタイミングの判断に役立てることです。ティックチャートで1日、1時間といった時間スケールで値動きの傾向を調べるというのは合理的とはいえません。長い時間スケールで値動きの傾向を調べる場合は、ローソク足とインジケータを表示したチャートがわかりやすいです。
こうしたことから、ローソク足とインジケータを表示したチャートを相場分析用、ティックチャートはエントリーと決済用にと、同時に表示させてそれぞれの用途に従って使用するというのがお勧めの使い方となるでしょう。ローソク足のチャートでレンジ相場となっていても、ティックチャートでは細かいトレンドの往復として把握し、トレードできる場合があります。
まとめ

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ティックチャートはMT4などシステムトレードツールには標準で付属しています。通常のローソク足のチャートでは追跡できない細かい値動きをチェックするのに最適です。しかし、時計の秒針のような細かい動きに幻惑されないよう、大きな値動きの方向性は、長い時間足を表示したチャートで確認して、ティックチャートはその方向性に対して押し目、戻りのエントリーや決済のタイミング判断に使うといいでしょう。

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