アービトラージとは?仕組みと注意点まとめ

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この記事の所要時間: 411

アービトラージは一般にあまり知られていないトレードスタイルですが、一説には勝率が非常に高いとも言われています。リスクを低くしながら確実に利益を得る手法として機関投資家によく使われているようです。このアービトラージはプロでない一般の人がやっても儲かる手法なのでしょうか。

アービトラージとは

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アービトラージは裁定取引と呼ばれ、同じ様な値動きをする違う銘柄で一時的に生じた価格や金利の差を利用して、リスクを小さく確実に利ざやを稼ぐ手法とされています。

アービトラージの方法は様々で、似たような価格の値動きをする場合だと通貨ペアでいえばオーストラリアドルとニュージーランドドル、イギリスポンドとユーロなどがあります。これ以外では、違うFX業者の同一通貨ペアの価格差やスワップ金利差を使う手もあるようです(ただしこの手は禁止されており、発覚すれば口座凍結される場合もあります)。

アービトラージの手順①:正の相関の強い通貨探し

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出典:pixabay

アービトラージの手法は値が上がった方を売り、値が下がった方を買うという両建てを行うことで、利ざやを稼ぐことになります。二つの銘柄に生じた価格差や金利差は最終的に埋められるということを前提とします。

アービトラージの手法で最初にすることは正の相関の強い通貨ペアを探すこと。具体的には、次のような切り分けで相関の強さを調べてみるといいでしょう。

  • イギリス連邦系:オーストラリアドル、ニュージーランドドル、カナダドル、イギリスポンドなど
  • 資源国系:オーストラリアドル、カナダドルなど
  • ヨーロッパ系:イギリスポンド、ユーロなど
  • 新興国系:南アフリカランド、トルコリラ、メキシコペソなど
  • リスク回避系:日本円、スイスフランなど

通貨同士の相関関係は常に変わりますが、同じ経済圏にある通貨は似たような値動きをする傾向があります。具体的にはオーストラリアドルとニュージーランドドル、イギリスポンドとユーロなどです。

アービトラージの手順②:正の相関の強い通貨の両建て

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オーストラリアドル、ニュージーランドドルは比較的高い金利の通貨として人気があり、地政学的にも紛争などに巻き込まれる可能性が少なく政情的に安定してリスクが少ない地域の通貨です。こうした地域に先進国から投資が集中しても、オーストラリアドル、ニュージーランドドルが同時に値上がりする前に、どちらかが先に値上がりする場合が狙い目です。

オーストラリアドルが先に値上がりし、オーストラリアドルを基準にすると一時的ににニュージーランドドルは割安になります。そこで割高なオーストラリアドルを売って、ニュージーランドドルを買います。先進国から投資が集中しているオーストラリアドルを売るとさらに値上がりがあるかもしれず、多少損が出るかもしれませんが、割高なオーストラリアドルを売って、割安なニュージーランドドルを買う分の利益をまずは確保。遅れてニュージーランドドル値上がりし始めると利益の上積みが期待できるでしょう。

アービトラージのメリット

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アービトラージは正の相関の強い通貨同士の一方が動くことで、もう一方が遅れるものの、同じ方向に確実に動くという前提のトレードなのでリスクは少ないと言えます。これに対して正の相関が弱い、もしくは相関がない通貨同士の場合は、値動きの開きが予測がつかない分、リスクとなります。

アービトラージのデメリット

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アービトラージのデメリットは両建てする分、利益が減ることです。先ほどのオーストラリアドル、ニュージーランドドルの場合だと、先進国通貨であるアメリカドルやユーロを売って、オーストラリアドル、ニュージーランドドルを個別に買う方が利益が出る場合があったでしょう。損失を受けるリスクはあるものの、買い・売りの一方のポジションの方が利益が大きくなる場合があります。

また、アービトラージはいつでも使えるわけではなく、あくまで通貨同士に強い正の相関関係があることが前提となります。先ほどのオーストラリアドル、ニュージーランドドルの通貨ペアでレンジ相場の場合はともかく、トレンドが出て価格差が開く逆相関の状況にアービトラージは適していません。

まとめ

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両建てで損失が出ても、トータルで確実に利益を狙えるのがアービトラージの考え方です。アービトラージは正の相関の強い通貨同士なのに、一方の通貨の動きにもう一方の通貨の動きの追随が遅れて一時的に価格に乖離が生じている時がトレードチャンスとなります。ファンダメンタルの上で明確な理由がないのに正の相関の強い通貨同士において価格の開きが生じている場合は、いずれその価格の開きは埋められる方向に相場が動きます。その前がアービトラージのチャンスと言えるでしょう。

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