チャートで表示するインジケータをどのように選ぶかは相場を分析する上で重要です。そのことに際してインジケータのパラメータをどのように設定するか、またエントリーや決済注文を出す価格帯をどう決めるのかは悩ましいところ。その際に参考になるのがフィボナッチ数、フィボナッチリトレースメントなどです。
フィボナッチとは

出典:pixabay
フィボナッチは中世イタリアの有名な数学者。Wikipediaには次のように紹介されています。
レオナルド=フィボナッチ(Leonardo Fibonacci、Leonardo Pisano 1170年頃 – 1250年頃)は、中世で最も才能があったと評価されるイタリアの数学者である[2]。 本名はレオナルド・ダ・ピサ(ピサのレオナルド)という。フィボナッチは「ボナッチの息子」を意味する愛称だが、19世紀の数学史家リブリが誤って作った名前でもある。(出典:Wikipedia)
フィボナッチはフィボナッチ数と呼ばれる数列を書物で紹介したことで有名です。フィボナッチ数は自然界の現象に数多く見られる数字の関係性として知られており、植物の花びらの数や葉の付き方にフィボナッチ数の関係性が見られることが多いです。
フィボナッチ数とは

出典:pixabay
フィボナッチ数とは2つの初期条件を持つ漸化式。一般に次のように紹介されています。
- F0=0(初期条件1)
- F1=1(初期条件2)
- Fn+2=Fn+Fn+1(n≧0)
Fnはn番目のフィボナッチ数です。数字を列記すると次のようになります。
- 0、1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、233、377…
0と1から始まる数列は、それ以降のどの項も直前2つの項の和になっているのが特徴です。FXでパラメータの設定でよく使われる数字がこの中に含まれています。例えば21、34、55といった数字は移動平均線の期間をパラメータとして設定する際によく使われています。
フィボナッチリトレースメントとは

出典:pixabay
フィボナッチリトレースメントのリトレースメントとは、「戻り」を意味しています。トレンド相場といっても価格は一直線に上昇するわけではなく、上昇と戻り(上昇に比べて小さい下落)を繰り返しながら上昇するのが普通です。よって、この「戻り」の値幅が予測できれば、上昇相場で押し目買いをするのに役立ちます。その際に使われるのが「フィボナッチ比率」です。
フィボナッチ比率とは

出典:pixabay
フィボナッチ比率はフィボナッチ数をもとに計算できる比率で主要な比率は次の数字です。
- 0%
- 23.6%:フィボナッチ数列上の数を3つ後の数で割った数字
- 38.2%:フィボナッチ数列上の数を2つ後の数で割った数字
- 50.0%:フィボナッチ数列の2番目の数である1を4番目の数である2で割った数字
- 61.8%:フィボナッチ数列上の数を直後の数で割った数字
- 76.4%:100%からフィボナッチ数列上の数を3つ後の数で割った数字を差し引いた数字
- 100%
フィボナッチリトレースメントで注目されるのは、主に38.2%と61.8%で、補足的に半値戻しの50%をチェックします。
フィボナッチで相場は動く?

出典:pixabay
次の図は或る1週間のドル円の値動きを示すチャートです。赤のローソク足は上昇、青のローソク足は下落を表しており、日足で表示しています。緑の折れ線が値動き、白の線が期間21としたEMAです。

図を見ていただくと、1日目の黄色星印でEMAを上に抜けて2日目に上昇トレンドに入り、フィボナッチ61.8%のレジスタンスとフィボナッチ50.0%のレンジに3日目で留まって、4日目にフィボナッチ61.8%のレジスタンスを抜けて上昇し、最後の5日目にフィボナッチ76.4%を下限として利益確定のために大きく売られたと理解することができます。
一見、何の法則性もないように見られる1週間のドル円の値動きですが、フィボナッチで相場をこのように分析することができます。
まとめ

出典:pixabay
フィボナッチは自然界で成立する数字の法則性を明らかにした数学者で、トレードの際に相場の値動きを確認すると、フィボナッチ数やフィボナッチリトレースメントに従っているケースがよく見られます。多くのトレーダーがトレードの判断の際にフィボナッチ数やフィボナッチリトレースメントを意識していると考えられ、相場の流れに従ってトレードする上で知っておきたい情報と言えるのではないでしょうか。

最新情報をお届けします
コメントを残す