移動平均線とは?特徴と使い方を確認する

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この記事の所要時間: 529

移動平均線は投資において必ずといって良いほどチャート上で表示されるインジケータです。現在の相場状況の時系列的な概要を把握する上で有効で、多くのインジケータはこの移動平均線の特徴と使い方を知った上で合わせて使うことでその威力を十分に活かすことができます。

移動平均線とは

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出典:pixabay

移動平均線は移動平均同士をつないで作成される線です。移動平均とは平均値の計算を時系列的に移動させながら計算するもので、平均値の時系列上の変化が明らかになります。

過去から現時点までのレートが上昇してきたのか、下落してきたのかが明確になり、売買注文や決済注文を出す判断材料を与えるツールとして、株式やFXなどの投資において最もよく使われるテクニカルとなっています。

移動平均とは

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ヨコ軸に時間、縦軸にレートをとって時系列的なレート変動をグラフ化したのが上の図で、これを一定の期間の幅T1からT4に期間をずらす(移動する)ことでそれぞれ平均値を計算したものがMA1からMA4となります。MA1からMA4をつなぐことで移動平均線となります。

T1からT4の間隔が広くなれば、移動平均線は水平線に近くなり、レート変動は目立たないくらい小さくなります。逆にT1からT4の間隔が狭くなれば、移動平均線は元のレート変動(水色の線)に近づく、または一致するようになります。

移動平均の考え方による違い

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出典:pixabay

 

移動平均の計算の違いで、移動平均線の特徴が変化します。

単純移動平均線

T1からT4の中に含まれるレートのデータの重要度を全て同じとして移動平均を計算し、その移動平均を結ぶことで作成される移動平均線です。例えばT1の中のレートのデータがP1、P2、P3であったとすれば、単純移動平均は次の式となります。

  • 単純移動平均=(P1+P2+P3)÷3

加重移動平均線

T1からT4の中に含まれるレートのデータの重要度を全て異なるものとして移動平均を計算し、その移動平均を結ぶことで作成される移動平均線です。例えばT1の中のレートのデータがP1、P2、P3であったとし、P1の重要度を1、P2の重要度を2、P1の重要度を3とすれば加重移動平均は次の式となります。

  • 加重移動平均=(P1×1+P2×2+P3×3)÷6

この場合の加重移動平均は、単純移動平均の数値と比べて、レートP3の影響をより大きく反映した数値となります。直近のレート変動をより重視して移動平均線を作成する場合などはこのような仕組みを持つ加重移動平均が応用されています。

移動平均線1本でわかること

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出典:pixabay

レート変動を結んで折れ線にしたグラフと、移動平均線との位置関係から様々なことがわかります。

レート変動グラフが移動平均線より上にある場合

この場合、相場は買い注文が売り注文を超えている状況(上げ相場)と判断できます。

レート変動グラフが移動平均線より下にある場合

この場合、相場は売り注文が買い注文を超えている状況(下げ相場)と判断できます。

移動平均線の傾きに注目して次のことがわかります。

傾きが右肩上がり

この場合、相場は買い注文が売り注文を超えている状況(上げ相場)と判断できます。

傾きが右肩下がり

この場合、相場は売り注文が買い注文を超えている状況(下げ相場)と判断できます。

傾きが徐々に急になる

この場合、レート変動の勢いが強いと判断できます。レート変動グラフと移動平均線の乖離が拡大している場合が多く、トレードチャンスです。

傾きが徐々に緩くなる

この場合、レート変動の勢いが弱いと判断できます。レート変動グラフと移動平均線の乖離が収束に向かっている場合が多く、トレードせずに様子見したほうがよいことが多いです。

移動平均線、私ならこう使う

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出典:pixabay

移動平均線の使い方は人それぞれだと思います。私の場合は次のように使っています。

  • 多くのトレーダーが参照していると思われるものは必ず表示する
  • 短期、中期および長期の移動平均線を同時に表示する
  • 移動平均線を傾きで区分し、より有利なポイントでトレードする
  • MACD等、さらに進んだインジケータの確認に使う

多くのトレーダーが参照していると思われるものは必ず表示する

移動平均線はとてもメジャーなテクニカルで、世界中のトレーダーの多くがチャート表示させていると考えられます。実際のトレードにおいても移動平均線タッチでレートの動きが反転したりすることが多いと感じます。移動平均線のパラメーター設定において、ある程度決まった数値でこうしたことが起こりやすいので、そうしたパラメーター設定の移動平均線は必ず表示するようにしています。

短期、中期および長期の移動平均線を同時に表示する

移動平均線のパラメーター設定の違いで短期、中期および長期の移動平均線を同時に表示させると、相場環境がより判断しやすくなります。パラメーターの数字が小さければ短期、大きければ長期となります。短期、中期および長期の順にきれいに移動平均線が並行している状況は、トレンドが発生していると判断でき、短期、中期および長期の移動平均線が複雑に交錯している場合は揉み合いの相場と判断できます。

移動平均線を傾きで区分し、より有利なポイントでトレードする

移動平均線を傾きは急であるほど、レート変化の動意が強く、短い時間で効率的に利益を出すことが出来ます。傾きを色分けして表示する移動平均線のインジケータなどは表示させるととても有効です。

MACD等、さらに進んだインジケータの確認に使う

MACDは複数の移動平均線の乖離の大小によってトレードチャンスかどうかの判断材料をトレーダーに提供するテクニカルです。移動平均線と合わせて表示させることで、トレンド追跡の精度を高めることができます。

まとめ

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出典:pixabay

移動平均線は相場の状況を分析する上で最も基本となるテクニカルです。相場に関する様々な情報をトレーダーに提供してくれるので、チャートでは必ず表示しておきたいテクニカルと言えるでしょう。

ただし、移動平均線はレートの転換が頻繁におこる相場環境での使用にはあまり適しておらず、そのメリットがほとんどないために、そうした相場でもトレードしたい場合はオシレーター系と呼ばれるテクニカルを合わせて表示させておくといいでしょう。

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