本記事ではフィボナッチリトレースメントについてご紹介します。トレードにおいてフィボナッチリトレースメントを使って押しや戻りの目安とする場合が多く、押しや戻りがわからない方はチェックしてみて下さい。
Contents
フィボナッチリトレースメントとは

フィボナッチリトレースメントとはフィボナッチ比率を利用して戻り(=リトレースメント)となる価格を推定するために引く水平線です。価格は上昇するにしても下降するにしても価格の山と谷を交互に作りながら変動していきます。価格上昇の際の谷で買い注文、価格下落の際の山で売り注文を出せば有利なトレードとなります。
フィボナッチ比率とはイタリアの数学者であるフィボナッチが明らかにした数学的な関係でフィボナッチ級数をベースにしています。フィボナッチ級数は1と1からスタートして隣り合う数字を順次足し合わせて構成される級数で数字が大きくなるほど隣り合う数字の比率は1対1.618に近づいていくことが知られています。
フィボナッチという言葉が気になる方はこちらの記事もどうぞ。
フィボナッチリトレースメントの便利なところ

フィボナッチリトレースメントの便利なところは価格の戻りや伸びていく場合の限界値の目安となることです。注文や決済の価格の目安が正しければそれだけトレードの成績は良くなります。
フィボナッチ比率のゴール値である1対1.618、つまり1を1.618で割ることで算出される0.618、および1からこの0.618を差し引いた0.382の数字がフィボナッチリトレースメントで注目すべき価格となり、反発が起きやすい価格と認識します。
フィボナッチリトレースメントの注意すべきところ

フィボナッチリトレースメントの注意すべきところは極値となる二つの価格をどのように選ぶかについて絶対的な基準がないということです。極値となる2つの価格とは最高値と最安値のことで、この2つが価格レンジと言うことになりますが、時間軸を長くとる場合と短くとる場合では価格レンジの幅が違ってきますのでフィボナッチリトレースメントで重要視する価格も違ってきます。
一般的な傾向として、時間軸を長くとる場合のほうがフィボナッチリトレースメントで重要視する価格の信用度が高まります。例えば1分足で引いたフィボナッチリトレースメントで重要視する価格より、4時間足や日足で引いたフィボナッチリトレースメントで重要視する価格のほうがサポートやレジスタンスとしては信用度は高いです。
フィボナッチリトレースメントの引き方

フィボナッチリトレースメントはトレードツールには必ずと言って良いほどビルトインされています。スマートフォンなどでトレードする場合でも利用可能です。フィボナッチリトレースメントの引き方はチャート上の直近の最高値と最低値をドラグ&ドロップで結べばいいだけです。
ここでは実際にパソコン上でMT4のチャート上でやってみます。やることは次の3つです。
- ①:「挿入」→「フィボナッチ」→「リトレースメント」の選択
- ②:一定の期間内における最高値と最低値を結ぶ
- ③:フィボナッチリトレースメントの描画
①:「挿入」→「フィボナッチ」→「リトレースメント」の選択

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MT4の上部に並んでいるサイドバーから「挿入」ボタンをクリックし、「フィボナッチ」→「リトレースメント」の順でクリック選択します。
②:一定の期間内における最高値と最低値を結ぶ

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一定の期間内における最高値と最低値を結びます。
③:フィボナッチリトレースメントの描画

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フィボナッチリトレースメントが描画されました。
フィボナッチリトレースメントと併用で有効なインジケータ

フィボナッチリトレースメントと併用で有効なインジケータは沢山ありますが、価格の動く方向が追跡できるインジケータとの併用が効果的です。具体的には次のインジケータと併用してみてはどうでしょうか。
- 上位ローソク足
- 移動平均線
- ZigZag
上位ローソク足
上位ローソク足とは表示させている時間足より大きい時間スケールで見たローソク足のことです。例えば表示させている1時間足チャートに同時に表示させた4時間足、日足といったローソク足は上位ローソク足です。
ローソク足は実体とヒゲで構成され、実体の色やヒゲの長さで価格変動の方向性や勢いがわかる上に、最高値、最安値、開始値、終値の4つの価格とフィボナッチリトレースメントで描く注目すべき価格を示す水平線とのリンクがしやすいです。
上位ローソク足にフィボナッチリトレースメントをリンクさせる理由は、より上位足で引いたフィボナッチリトレースメントで重要視する価格のほうがサポートやレジスタンスとしては信用度は高いからです。
ローソク足ってなんだっけと思った方はこちらをどうぞ。
移動平均線
移動平均線はその伸びていく方向と傾きで価格の今後の動きをこれまでの動きから予測する上で初心者にも使いやすいインジケータです。フィボナッチリトレースメントで重要視する価格が押し目となる価格なのか戻りとなる価格なのかを判断する上で、移動平均線が上昇傾向なのか下落傾向なのかを確認することが必ず必要となります。
移動平均線は1本だけでなく、短期、中期、長期の3つくらい引いておくと相場の状況をより正しく認識できます。強い上昇相場では上から短期、中期、長期の順に、強い下落相場では上から長期、中期、短期の順に移動平均線が綺麗に並列となるパーフェクトオーダーとなります。
移動平均線ってなんだっけと思った方はこちらをどうぞ。
ZigZag
ZigZagは高値折り返しのポイントと安値折り返しのポイントを直線で結ぶことで形成される、名前が示すとおりのジグザグ線です。価格の山と谷で構成されていて、時間と共に谷が切り上がっている状況は上昇相場、山が切り下がっている状況は下落相場と判断します。
ZigZagは特定した期間の最高値と最安値を明瞭に示してくれるので、これらを結んでフィボナッチリトレースメントを描画する上でとても便利なインジケータです。
まとめ

相場の反転ポイントを示すインジケータはRSIやRCI、ストキャスティクスなどオシレーター系のものがありますが、フィボナッチリトレースメントのように価格で直接明らかにすることはありません。価格に重きをおく点でフィボナッチリトレースメントを描いてトレードする人は少なからずおられます。
フィボナッチリトレースメントはトレンドラインを使ったライントレードとの相性も良く、併用することでより価格を重視したトレードを実現できます。使い方自体はとても簡単ですので実際のトレードで一度試してみてはいかがでしょうか。

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