まずは首より上の部分をモデリングしていきます。ただし、髪の部分のモデリングは髪の形状が複雑な場合は、顔や頭、首のモデリングが完了した後のほうがやりやすいでしょう。理由は頭の面にかぶさっているので髪単体では空間的な位置決めが難しいからです。ただし、今回は作業の前の環境整備としてオブジェクトとオブジェクトパネル、ミラーリングとオブジェクト割りについて確認します。
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オブジェクトパネルを理解する

出典:pixabay-Alexas_Fotos
まずはオブジェクトパネルについて理解しましょう。デフォルトですでに「obj1」と一つ入っています。このオブジェクトとはモデリングで作成しようとしている部位と理解しておけばいいでしょう。

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(C) 1999-2021 tetraface Inc.
mmd用3dモデルのように女性や男性の場合だと、顔、頭、耳、首、体、手足といった各部位ごとにオブジェクトを設け、これを合わせて表示することで人の姿を構成するイメージです。
オブジェクトのミラーリングを利用する

出典:pixabay-Santa3
ミラーリングは文字通り片側を鏡に映すように反対側に投影することで、モデリングの手間を片側の制作だけで済むようにできる機能です。左右対象とするオブジェクトに顔、頭、耳、首、体、手足など多くの部位が該当すると思いますので、オブジェクトを新規追加する都度ミラーリングをオンにしておくとモデリングの労力がかなり減ると思います。
オブジェクトの新規追加とミラーリングの設定の仕方
オブジェクトの新規追加とミラーリングの設定の仕方は簡単です。まずオブジェクトの新規追加は次の手順でおこないます。
- オブジェクトパネルの「新規」をクリック
- 既存のobj1の下に新規オブジェクトのobj2が生成される

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次回の作業に備えてオブジェクトの新規追加を繰り返し、obj1の名称を「顔、前頭」、obj2の名称を「まつげ」と順次名称変更しておきます。名称変更は名称変更したいオブジェクトをダブルクリックし、ポップアップされたオブジェクト設定項目のうちの名称の欄に、新規に名称を入力する形で行います。

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必要数のオブジェクトの新規追加と名称変更を終えて、首より上の部分の髪を除く部分のオブジェクトをそろえたら、改めて首より上の部分の髪を除く部分の下絵を準備し、読み込みます。

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各オブジェクトのミラーリングの設定は次の手順でおこないます。
- ミラーリングしたいオブジェクトをダブルクリック
- 「オブジェクト設定」がポップアップされる
- ポップアップされたオブジェクト設定項目のうち、ミラーリングの項目の「左右を接続した鏡面」をチェック
- 「接続距離を制限する」にチェック
- 接続距離の数値の欄に0(ゼロ)を入力

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適用軸のX軸にチェックが入っている場合、YZ平面を境界としてミラーリングが行われることになります。X軸プラス側で行ったモデリング作業の結果はX軸プラス側に表示されると同時にミラーリングによってX軸マイナス側にも自動的に表示されることとなります。
モデルのパーツのオブジェクト割りについて

出典:pixabay-Free-Photos
たとえば顔のモデリングをする場合、1つのオブジェクトとして作成する場合を複数のオブジェクトごとに作成し、出来上がった各オブジェクトを合体させて1つのオブジェクトとするケースがあります。
どのようにオブジェクト割りするかには人によって好みがあると思いますが、私の場合は次のように分けて作業しました。
- モデル全体=首より上の部分+首より下の部分
- 首より上の部分=顔、前頭(XY平面よりZ軸プラス側)+まつげ+白目+黒目+口+後頭(XY平面よりZ軸マイナス側)+耳+前首(XY平面よりZ軸プラス側)+後首(XY平面よりZ軸マイナス側)+髪
- 髪=前髪+中髪+後髪
- 首より下の部分=胴体+乳+左上腕+左下腕+右手+右上腕+右下腕+右手+左太もも+左ふくらはぎ+左足+右太もも+右ふくらはぎ+右足
作成した各オブジェクトについて

出典:pixabay-fumingli
各オブジェクトは複数集めて1つのオブジェクトとすることも、上層下層の階層構造にすることもできます。また複数のオブジェクトで構成されるプロジェクトファイルを先に作成しておいて、後で作ったプロジェクトファイルに読み込みこともできます。
例えば、手のオブジェクトには手のひら、親指など5本の指を含める必要があり、両手を作ると12のオブジェクトが必要となります。ミラーリングやオブジェクトのコピーを駆使してモデリングの労力を少なくするとともに、手だけのプロジェクトファイルとしてあらかじめ保存しておけば、他のキャラクターのモデリングの際に読み込んで流用することができるでしょう。
第3回のまとめ

今回ご紹介した内容は次のとおりです。
- 女性や男性のモデルは複数のオブジェクトの集合体
- 左右、前後対象の部位はオブジェクトのミラーリング設定を使えばモデリング作業の効率向上
- 「木を見て森を見ず」とならないよう、最初にオブジェクト割りを決めておく
二次元のパソコン画面を使って二次元のモデルを作成するのは難しくないですが、三次元のモデルを作成するのは慣れないと難しいです。まずは二次元で作成して回転や移動といった手を加えて三次元で見ておかしな部分を繰り返し修正していくという作業が常に必要となってきます。
次回からいよいよ首より上の部分、顔のモデリングをはじめていきます。

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