【初心者向け】mmd用3dモデルはどう作る?【第5回】

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前回でモデルの顔の形状の生成が完了しました。顔以外の部位についても同様の流れでモデリングを進めていくことができます。今回は形状の生成とともに重要な作業、モデリングした部位の着色についてご紹介します。

生成したモデルに着色する方法

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出典:pixabay-weinstock

着色する方法には次の2つがあります。

  • ①:モデリングした部位を展開して着色する
  • ②:モデリングした部位に直接、テクスチャと呼ばれる着色された平面を貼る

モデリングした部位を展開して着色する方法は三次元のモデル形状をUV展開図とよばれる二次元平面に展開して、この二次元平面にペイントし、着色後の展開図を1つの材質パネル上のテクスチャ(着色された平面)として読み込む方法となります。

ペイントは専用のアドビのフォトショップやセルシスのクリップスタジオペイントプロなどのモデリングソフトとは別に用意した専用のペイントソフトで行います。

他方、モデリングした部位に直接、テクスチャと呼ばれる平面を貼る方法は、単色の材質パネルを登録してこれをモデルに直接貼り付ける方法です。こちらはアドビのフォトショップやセルシスのクリップスタジオペイントプロなどは不要でwindowsにデフォルトでついているペイントソフトで十分です。ただし、濃淡や影つけなど色彩変化を伴う細かい色分けをしたい場合には不向きです。

私の場合、モデリングした部位を単一の色彩で着色する場合は②の方法、モデリングした部位を陰影やグラデーションを付けた着色する場合は①の方法を使います。

前回作成した顔のモデルの場合、陰影やグラデーションを付けた着色する場合が多いと思いますので、今回は顔のモデルの着色ということで①の方法をご紹介します。

モデリングした部位を展開して着色する流れ

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出典:pixabay-ivanovgood

モデリングした部位を展開して着色する流れは次のようになります。

  • ①:材質パネルに着色したいオブジェクトに対応したテクスチャ設定を行う
  • ②:テクスチャ設定のファイルに別途作成した「市松模様」を読み込む
  • ③:着色したいオブジェクトを選択する
  • ④:「選択部処理」タグメニューから「面に現在の材質を指定」をクリック
  • ⑤:「UV操作」メニューから「自動展開」をクリック
  • ⑥:ポップアップはデフォルトのまま、「展開実行」をクリック
  • ⑦:「UV操作」メニュ→「ファイル出力」をクリック
  • ⑧:あらかじめ決めておいたファイル出力先に出力する
  • ⑨:別途立ち上げているペイントソフトにモデリングソフトで出力したファイルを読み込む(ペイントソフト上の作業①)
  • ⑩:モデリングソフトで出力したファイルをもとに上塗りで着色作業を行う(ペイントソフト上の作業②)
  • ⑪:上塗りで着色作業したものにファイル名を付けて画像書き出しを行う(ペイントソフト上の作業③)
  • ⑫:材質パネルで着色したいオブジェクトのテクスチャ設定を「市松模様」からペイントソフトで書き出しを行った画像に置き換える

文章にするとかなり煩雑な作業のイメージですが、1つ1つの作業は単純作業です。では、順を追ってご紹介していきます。

①:材質パネルに着色したいオブジェクトに対応したテクスチャ設定を行う

「顔」と名前を付けたオブジェクトに、対応するテクスチャを設定します。材質パネルにはデフォルトで「mat1」というテクスチャが表示されていますが、これは空のテクスチャです。中身を入れていくためにダブルクリックします。

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screencopy by 著者
(C) 1999-2021 tetraface Inc.

ポップアップで設定画面が開くので、①シェードの種類、②テクスチャ名、③模様となる画像ファイル読み込みの3つの設定を行います。

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(C) 1999-2021 tetraface Inc.

ここでは①シェードの種類を「constant」、②テクスチャ名を「faceUV」としました。

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screencopy by 著者
(C) 1999-2021 tetraface Inc.

②:テクスチャ設定のファイルに別途作成した「市松模様」を読み込む

材質設定で読み込みする画像については次のような「市松模様」がおすすめです。オブジェクトとなっている三次元モデルを二次元展開したときに位置関係がわかりやすくなることが多いからです。

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③:着色したいオブジェクトを選択する

ここではオブジェクトパネル「顔」に材質パネル「faceUV」が対応しているかを確認します。OKであればコマンドパネルの「選択」(①)をクリックし、ポップアップの表示から「接続面」を選択し、モデルの任意の面を1か所クリックします。そうすると着色対象となるグリッドが赤から緑に変化し、選択されたことになります。

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screencopy by 著者
(C) 1999-2021 tetraface Inc.

④:「選択部処理」タグメニューから「面に現在の材質を指定」をクリック

選択した部分に材質パネルの「faceUV」が割り当てられるように、「選択部処理」タグメニューから「面に現在の材質を指定」を選択してクリックします。

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screencopy by 著者
(C) 1999-2021 tetraface Inc.

⑤:「UV操作」メニューから「自動展開」をクリック

ここからは三次元のモデルの面を二次元の面に展開する作業です。まず、モードを「モデリング」から「マッピング」に切り替え、「UV操作」メニューの中にある「自動展開」をクリックします。

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(C) 1999-2021 tetraface Inc.

⑥:ポップアップはデフォルトのまま、「展開実行」をクリック

「自動展開」のクリックで立ち上がった表示にある「展開実行」をクリックします。これで三次元モデルを構成する面が二次元平面(UVマップ)に展開されました。

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(C) 1999-2021 tetraface Inc.

⑦:「UV操作」メニュ→「ファイル出力」をクリック

二次元平面(UVマップ)にペイントソフトで着色するための準備として、画像ファイルとして出力します。「UV操作」メニューから「ファイル出力」を選択してクリックします。

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(C) 1999-2021 tetraface Inc.

⑧:あらかじめ決めておいたファイル出力先に出力する

「ファイル出力」をクリックすると、出力先を指定するための画面がポップアップします。

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screencopy by 著者
(C) 1999-2021 tetraface Inc.

出力先をデスクトップにした場合、次のようになります。

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screencopy by 著者
(C) 1999-2021 tetraface Inc.

これで選んだ出力先にビットマップ形式の二次元平面(UVマップ)が出力されました。

⑨:別途立ち上げているペイントソフトにモデリングソフトで出力したファイルを読み込む(ペイントソフト上の作業①)

ここからはペイントソフトを使った作業です。ペイントソフトはセルシス社のクリップスタジオペイントプロを使いました。3か月以内なら無料で使えるようですので、お試しでダウンロードして使ってみてはいかがでしょうか。

まずは、先ほど出力したビットマップ形式の二次元平面(UVマップ)をクリップスタジオペイントプロに取り込みます。まずクリップスタジオペイントプロ(以後は「クリスタ」と略称をつかいます)を立ち上げ、以下の操作をします。

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screencopy by 著者
(C) 2012-2021 CELSYS,Inc.

画像のサイズはすでにモデリングソフトに読み込んである「市松模様」の画像とビットマップで出力されているUV展開図が512pixcel四方なのでこれに合わせます。

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(C) 2012-2021 CELSYS,Inc.

ビットマップで出力されているUV展開図を読み込みます。

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(C) 2012-2021 CELSYS,Inc.

デスクトップに出力したUV展開図ファイルを選択します。読み込まれると次のような状態となります。

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(C) 2012-2021 CELSYS,Inc.

⑩:モデリングソフトで出力したファイルをもとに上塗りで着色作業を行う(ペイントソフト上の作業②)

上塗りで着色作業を行います。着色するとこのようになりました。

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screencopy by 著者
(C) 2012-2021 CELSYS,Inc.

今回は色彩変化を付けた凝ったペイントとしていませんが、陰影やグラデーションをつける等の凝ったペイントとすることは勿論OKです。

⑪:上塗りで着色作業したものにファイル名を付けて画像書き出しを行う(ペイントソフト上の作業③)

着色した画像をpng形式で書き出します。まずは背景のホワイトを表示レイヤー操作で無色にします。

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screencopy by 著者
(C) 2012-2021 CELSYS,Inc.

今回はデスクトップにpng形式で出力(保存)する場合です。実際の作業ではファイル同士のリンク関係を維持する上、モデリングソフトで作成したファイルや着色作業を行った画像ファイルは同一フォルダに保存しておくようにされることをお勧めします。

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(C) 2012-2021 CELSYS,Inc.

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screencopy by 著者
(C) 2012-2021 CELSYS,Inc.

ここでペイントソフトはお役御免です。

⑫:材質パネルで着色したいオブジェクトのテクスチャ設定を「市松模様」からペイントソフトで書き出しを行った画像に置き換える

png形式で書き出した画像をモデリングソフトに読み込みます。方法は①のテクスチャ設定で行った3つの設定のうちの③、市松模様となっているファイルをペイントソフトで着色したpng形式で書き出した画像に置き換えるだけです。今後の作業に関係してモデリングソフトで次の作業を行います。

  • ①:材質名「faceUV」を「顔」に変更しています
  • ②:画像ファイル名「イラスト」を「顔」に変更した後に「市松模様」画像を置き換える形で読み込んでいます
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screencopy by 著者
(C) 1999-2021 tetraface Inc.

材質名や画像ファイル名は変更せずにそのままでも構いません。すでにセットされている「模様」の箇所(②)を「着色してpng形式で出力した画像」に置き換えすればOKです。置き換えることで次のような状態になればモデルの顔部分の着色作業は完了です。

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screencopy by 著者
(C) 1999-2021 tetraface Inc.

第5回のまとめ

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今回ご紹介した内容のポイントは次のとおりです。

  • 生成したモデルに着色する方法には展開図に着色する方法とモデルに色付き平面を貼る方法がある
  • 展開図に着色する方法はユーザー側で自由に色の選択や濃淡づけできるがペイントソフトが別途必要となる
  • 展開図とモデルの位置関係を示すテクスチャを準備しておくと便利

次回は顔のパーツでも特に重要な目のモデリングと着色についてご紹介します。

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