前回までで顔のモデリングと着色が終わりましたので、引き続いて顔のパーツのモデリングと着色を行っていきます。眉、まつげの順に作成し、目のモデリングの順で手順をご紹介します。
まつげのモデリングと着色

出典:pixabay-heblo
まつげのモデリングは顔の場合と同様に、下絵を読み込んである左側面と正面の画面のまつげの部分をトレースする形で行います。

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(C) 1999-2021 tetraface Inc.
まつげの着色についてですが、以前ご紹介したとおり、モデリングのオブジェクトの着色方法は次の2つがあります。
- ①:モデリングした部位を展開して着色する
- ②:モデリングした部位に直接、テクスチャと呼ばれる着色された平面を貼る
ここでは前回のように展開図を作成せず、②のオブジェクトに直接的にテクスチャを貼る方法を採用することにします。テクスチャの作成はwindowsに標準で付属しているペイントソフトで簡単に作成できます。

ペイントソフトで作成したテクスチャはデスクトップなど任意の場所にいったん保存しておきます。つぎにモデリングソフトの材質パネルに新しく材質を追加します。デフォルト「mat2」の表示は「まつげ」(①)と変更します。追加した材質をダブルクリックして設定画面がポップアップされたら次の2つの設定変更および設定を行います。

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- 「シェーダ」を「Phong」から「constant」に設定変更(②)
- 模様をペイントソフトで作成したテクスチャの画像ファイルを読み込んで設定(③)
設定を完了すると次のようになります。

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以上でまつげ部分のモデリングと着色が完了しました。
まつげのモデリングの注意点

出典:pixabay-PublicDomainPictures
まつげのモデリングに関しては、目が開いているときと閉じているときで位置が変わることを意識しておく必要があります。またまつげはまぶたと一体で動くことを考慮して、まぶたを含む顔のモデリングの段階でまぶたの奥行方向の位置と形状を工夫しておくことが望ましいです。
まつげ、まぶた、黒目、白目の位置関係を、顔面を基準に見た場合の位置関係は、まつげ、まぶたは顔面を基準に凸、黒目は白目を基準に凸、白目は顔面を基準に凹とするようにします。具体的に三次元のイメージで示すと次のような感じです。

目のモデリング

出典:pixabay-LhcCoutinho
目のモデリングは白目部分と黒目部分に分けて行います。理由は一体でモデリングすると黒目が固定されてしまい、視線のバリエーションがつけにくくなるからです。
白目部分のモデリング
白目部分のモデリングは次の手順で行うといいでしょう。
- 左側面画面、正面画面に張り付けた下絵に基づいて、外郭となる点を押さえる
- 外郭となる点について、上下まぶたの点を縦に結んでグリッドを作成
- グリッドに面を貼る
- 「選択」→「接続面」で白目を構成する面を選択する
- 「押し出し」コマンドをクリック後、白目を構成する任意の面を選択して左ドラッグして凹ませる
左側面画面、正面画面に張り付けた下絵に基づいて、外郭となる点を押さえ、上下まぶたの点を縦に結んでグリッドを作成します。グリッドの縦線が平行となるように、下まぶたの点をを同数、X座標上におおむね同じ位置に配置するようにします。

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グリッドに面を貼ります

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「選択」→「接続面」で白目を構成する面を選択します

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「押し出し」コマンドをクリック後、白目を構成する任意の面を選択して左ドラッグして凹ませます

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白目部分の着色は、まつげの場合と同様の方法とします。まずは白のテクスチャをペイントソフトで作っておき、材質の設定画面で模様として読み込めばOKです。
黒目部分のモデリング
黒目部分のモデリングは次の手順で行うといいでしょう。
- 左側面画面、正面画面に張り付けた下絵に基づいて、外郭となる点を押さえる
- 外郭となる点について、黒目中心となる点を中心に放射状となるグリッドを作成
- グリッドに面を貼る
- 「選択」→「通常」で黒目中心となる点をZ軸プラス方向(押し出す方向となります)にドラッグして位置を変更する
黒目の外郭となる点を押さえ、黒目中心となる点を中心に放射状となるグリッドを作成します

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グリッドに面を貼ります

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黒目が凸になるように黒目中心の点を移動しておきます

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第6回のまとめ

顔のパーツのモデリングで目は最も重要なパーツですが、目の開閉や視線の変化をつけることを前提にすると、白目と黒目だけでなく、顔の一部としてのまぶたやまつげを総合的にとらえて形状や、位置を工夫する必要があります。
基本は顔面を基準に見た場合の位置関係でまつげ、まぶたは顔面を基準に凸、黒目は白目を基準に凸、白目は顔面を基準に凹とするようにします。しかし実際には一度の作業だけで目の開閉や視線の変化をさせてみて不具合が出ないようにするのは難しいかもしれません。
不具合が出る場合はその都度、まぶたと黒目、白目の凹凸の度合いを変化させて、不具合の生じない理想の位置関係に近づけていく修正作業を繰り返すことが必要でしょう。

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