為替変動は、通貨ペアに関係する国の政治経済状況の影響を受けることが多いです。一国の経済状態を数字で示したものが経済指標であり、その内容が多岐にわたります。経済指標は毎月決まった時間に公表されており、その前後の時間帯は値動きが激しくなることがあります。
経済指標とは

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経済指標とは公的機関が公表する経済状況を示す指標のこと。具体的な指標としては金利や物価、賃金に関する指標の他、GDPや個人消費、企業投資に関するものまで多岐に及びます。特に注目なのは世界最大の経済規模を持つアメリカの指標、とりわけGDPの大部分を占める個人消費や、個人消費に関連する平均賃金や失業率、雇用統計などです。
経済指標はその国の経済状況を示す最新データであることから、経済状況の判断が関係する国の為替水準に影響を与えます。日本の経済指標の公表前後には日本円を中心に、アメリカドルなどが動くことがあり、ドイツやイギリスの経済指標の公表前後にはユーロやポンド、アメリカの経済指標の公表前後はアメリカドルを中心に為替水準が大きく動きます。
経済指標の重要性

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経済指標はその国の通貨の価値を決める基礎的要件として重要です。経済指標の数値そのものの良し悪しは勿論、その数値の公表前の予想や期待、思惑などからも値動きが生じることが多く、公表後はそれらの期待や思惑に対して意外性や驚き、ショックといった心理面から大きな値動きが生じることがあります。
市場関係者が経済指標の結果をどのように受け止めるかは予測が難しく、値動きはテクニカル分析が効かない動きをすることもしばしば。エントリーすると、大きなお金が動いているので運が良ければ大きな利益を得られることもありますが、全く予想が付かない相場となっているので手痛い損失を被る可能性が高いです。
経済指標の種類

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経済指標の種類は沢山ありますが、特に注目したいのは次の指標です。
- 金利に関する指標(政策金利、長期国債入札価格等)
- 物価に関する指標(消費者物価、卸売物価、物価上昇率等)
- 雇用に関する指標(失業率、雇用者数増減等)
- 景気および景気判断に関する指標(GDP成長率、景況感調査、消費者意識調査等)
- 貿易に関する指標(貿易収支、経常収支等)
いずれの経済指標もアメリカ政府関係機関の公表する数値は、アメリカドルは勿論、ユーロやポンド、日本円など他の通貨の為替水準に大きな影響を与える場合が多く、これらの経済指標が公表される前後はトレードチャンスとなることが多いです。
経済指標の見方と値動き

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経済指標の見方として、前回の数値、今回の予想値、そして公表値の三つがあり、とくに市場に大きなインパクトを与えるのは今回の予想値に対する公表値の内容です。内容に大きな開きがなければ、市場へのインパクトは弱く、大きな値動きが生じる可能性は低いですが、内容に大きな開きがあれば市場へのインパクトの大きさから、為替水準が大きく動くことがあります。
まとめ

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経済指標はファンダメンタルな面から相場を動かす大きな材料となります。特に金利や物価、雇用や景気判断、そして貿易に関する指標、とりわけ世界最大の経済大国であるアメリカの政府機関が公表する指標は、アメリカドルを通じて、他の国の通貨の為替レートを大きく動かす場合があります。
こうした経済指標の前後はトレードチャンスとできる場合が多いものの、経済指標の公表直後からしばらくの間は値動きが大きく、方向が様々な思惑の交錯からランダムになりやすく、テクニカル分析が難しいケースがあるので、値動きが落ち着くまでエントリーは見合わせた方が良い場合が多いです。

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