アメリカの雇用統計は数ある経済指標の公表の中でも最も注目されています。アメリカは世界第一の経済超大国であり、その通貨であるアメリカドルは世界の基軸通貨として、国債取引の際の決済通貨とされているためです。こうしたことから雇用統計の結果次第では、翌週の市場がよく動く場合があります。
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雇用統計とは

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雇用統計とはアメリカ合衆国における労働環境を総合的に鳥瞰できる統計データのこと。失業率や平均時給など景気の動向を知る上でとても注目されている情報です。こうした情報は世界一の内需を持つアメリカ国内の経済に大きく影響し、その結果によってアメリカドルの価値が大きく変わります。
こうした雇用統計はアメリカ国内のみならず、経済的なつながりが深い世界各国の通貨の為替レートにその影響が波及することが多いです。雇用統計は月初第一金曜日の決まった時間に発表され、その日はアメリカドルに注目ですが、週明けには他の通貨の動きをチェックし、トレードチャンスがないかよく見てみましょう。
通貨選びのポイント

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月初第一金曜日以降、週末のアメリカドル終値を確認し、アメリカドルが値上がりした場合はアメリカドルに比べて割安な通貨が買われるかもしれません。値上がりしたアメリカドルを売って割安な通貨を沢山買うことができます。その割安な通貨となった通貨を発行する国の経済指標をチェックし、前回発表値より予想値が良い内容の発表がされる場合は特に狙い目です。
アメリカドルが値下がりした場合はアメリカドルに比べて割高な通貨が売られるかもしれません。割安なアメリカドルをたくさん買うために割高な他国通貨を売るシナリオです。ターゲットとした他国通貨を発行する国の経済指標をチェックし、前回発表値より予想値が悪い内容の発表がされる場合はシナリオの現実味が増します。
トレードの手順と結果

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私が行ったトレードの手順と結果を解説します。
相場予測と通貨選び

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2018年6月第一金曜日に公表されたアメリカ合衆国の結果を受け、アメリカドルは大きく値上がりしました。その翌週の月曜日の経済指標の公表予定、前回公表値と今回予測値を比べて経済好転の兆しが見られる国の通貨に注目することにします。
週明け最初にオープンするのはオセアニア市場、その週の前半に重要な経済指標の公表が続き、最初の経済指標の公表の前回公表値と今回予測値を比べて経済好転の兆しが見られるオーストラリアドルに注目します。通貨ペアは同日の経済指標の公表の予測値の内容が良い日本円との通貨ペアとします。
値動きのシナリオ

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割高なアメリカドルの一部を売って、同日の経済指標の公表の予測値の内容が良いオーストラリアドルを買う動き、同じく公表の予測値の内容が良い日本円を売ってアメリカドルを買う動きを予想します。
エントリーの手順

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まずは日足と1時間足のチャートを表示し、RSIの伸びる方向の一致を確認。オセアニア市場のオープンから東京市場オープンまではシナリオとは違ってオーストラリアドル/日本円の通貨ペアは弱含みレンジでしたが、そのレンジのうちでも最安値に近い水準までフィボナッチリトレースメントを見ながら引きつけた状況でエントリーします。
利益確定と結果

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満足いくエントリーが出来たら、後はシナリオ通りに値動きするのを待ちます。東京市場開始前よりシナリオに近い値動きがはじまり、オープンするとその兆候が明確になりました。ZIGZAGインジケータで追跡し、最初のストップ価格で利益確定、30pipsの利益となりました。

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トレードの際の注意点

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今回はたまたまうまくシナリオに嵌まりましたが、いつもこううまくいく訳ではありません。前週末のアメリカドルの値動き以外、特にロンドン時間によく動くユーロやポンドの影響が大きい場合には、その影響を受けてシナリオが外れる場合があります。現実にオセアニア市場オープンからすぐは弱含みレンジでした。
今回は雇用統計の影響がやはり大きく、特に東京時間は好感されたために日本円を売ってアメリカドルを買う動きに押されて、オーストラリアドル/日本円が大きく値上がりしました。
まとめ

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この日はたまたまですが、オーストラリアドルがよく動く日に当たって良い結果が出ましたが、「相場は生き物」と言われているように同じ相場はありません。実際にトレードする際にはこのことを常に心に置いておく必要があります。
しかし、アメリカの雇用統計は他の国の通貨の相場変動に与える影響は小さくないと思われ、雇用統計の結果次第では狙ってみてもいいかもしれません。なお、投資判断につきましては自己責任でお願いします。

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