トレードをしていると値動きが予想と違った方向に進んでしまい、思わぬ含み損を抱えてしまうことがあります。「いつかは戻るだろう」「損失が確定するのはイヤだからそのままにしておこう」という心理から放置しがちです。こうした状況で注意したいのが、強制ロスカットです。
強制ロスカットとは

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強制ロスカットはトレードしている本人の意思とは関係なく、損失金額が一定水準に達した時点で含み損を損失として確定するシステムです。強制ロスカットは為替相場で急激な動きがあった時にしばしば発動されます。
相場がトレードしている本人の意思に反する方向に急激に動けば、証拠金で支払える限度の何倍もの損失が一瞬で生じることがあります。そうなるとトレードしている本人は勿論、FX業者にとっても大変な事態となります。そうしたことになる前に、決済して損失を一定金額以内にしようとする仕組みと言えます。
強制ロスカットはなぜ起こる?

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相場は取引参加者の思惑で動いています。取引参加者が予想できる出来事については、それを織り込んだ値動きとなりますが、取引参加者が予想できない突発的な情報や衝撃的な発言があったとき、これまでになかった急激な値動きが起こります。
具体的な例としては、金融恐慌が起きたり、戦争が勃発した場合の他、急激な政策変更の発表や、それを予想させる政府要人の発言などがあれば、相場が急激に一方向に動き、強制ロスカットとなる方が急増します。
強制ロスカットされないためには

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含み損が徐々に増えて強制ロスカットされそうな場合だと、証拠金を追加することで強制ロスカットされるまでゆとりを持たせることが出来ます。しかし、それ以降も含み損が拡大するようだとトレードしている本人の意思でロスカットする必要性が高まります。
これに対し、相場の急変による強制ロスカットは対処が難しいです。取引価格の変動が急速すぎて証拠金の追加ではどうにもならないこともあるからです。そうした事態があらかじめ予想できるケースもありますので、相場の急変が予想できる場合はトレードを休むといった判断も、強制ロスカットを避けるために必要かもしれません。
強制ロスカットの予告はある?

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強制ロスカットは含み損が徐々に増えて強制ロスカットされそうな場合だと、FX業者から強制ロスカットの予告があります。こうした予告は「マージンコール」と呼ばれ、「マージンコール」は強制ロスカットが発動される証拠金の水準よりやや証拠金に余裕がある水準で予告されるようになっているのが普通です。
「マージンコール」は証拠金が不足する恐れがあるという意味の警告と考えて、追加で証拠金を入金することで強制ロスカットが防げるケースがあります。ただし相場の急変で「マージンコール」から強制ロスカットまでの時間が極端に短いこともありますので、「マージンコール」に頼るのは危険かもしれません。
まとめ

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強制ロスカットは含み損を証拠金でカバーできるうちにFX業者側で強制的にロスカットする仕組みで、この仕組みにより利用者の損失の拡大を一定範囲に抑え、証拠金不足でFX業者側が損失を受けることを防止する仕組みです。強制ロスカットに関連して注意したいポイントとして次の3つのことがあります。
- 相場の急変が予想される場合はトレードを控える
- 含み損は早い内に損切りするよう心がける
- 「マージンコール」後に証拠金を追加しようとしても間に合わず強制ロスカットされる場合がある
相場の予期せぬ急変はいつでも起こりうると考えれば、「マージンコール」を受ける前に決済して損失を確定した方が安全な場合が多いと言えるでしょう。

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