ニュースで「日銀」という言葉を耳にされた方は少なくないと思います。この「日銀」は日本銀行のことですが、名前は聞いたことがあるものの、何をしているのかを知っている人はそんなに多くないかもしれません。日本銀行はどのような銀行で、どんな役割を担っているのかをご紹介します。
日本銀行とは

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日本銀行は日本で金融政策を実施し、紙幣を作ることができるだだ一つの銀行です。一般の銀行とは違う点として、一般の人の預金を受け付けることはありません。日本銀行は日本銀行法という法律に基づく財務省の認可法人です。
日本銀行は政府と独立した法人で、資本金の過半を政府関係、残りを民間からの出資を募って設立されています。ただし、日本銀行の財産は法律により国に帰属することが定められています。設立は1881年と古く、ニュースで「にちぎん」と出れば日本銀行のことで、外国為替に関係する方にはお馴染みの銀行でしょう。
日本銀行の役割

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日本銀行は中央銀行としての役割を果たすのが特徴。中央銀行とは金融活動の中心的な役割を果たす銀行のことで、日本以外の国でもそれぞれの国で中央銀行があります。中央銀行として日本銀行は次の役割を業務として行います。
- 日本銀行券(お金)の発行
- 金融政策の実施
- 民間金融機関との調整
普段私たちが使う紙幣をよく見てみると「日本銀行券」と印字されています。この日本銀行券を独占的に発行できるのが、日本銀行なのです。つまり、日本銀行が日本銀行券を大量に発行して、民間の金融機関を通じて融資を増やせば世の中のお金の量は多くなり、融資を引き上げればお金の量は減ることになります。
こうした独占的な権限により実施されるのが金融政策と呼ばれる経済政策です。金融政策は東京にある日本銀行本店の政策決定会合でその方針が決まり、全国にある日本銀行の支店を介して民間金融機関との調整をしながら実施されます。政策決定までは時間がかからないものの、金融の仕組みを通じて政策実現を目指すため、政策の効果が出るまで時間がかかると言われています。
日本銀行の組織

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日本銀行の組織は、最高意思決定機関である政策委員会をトップに、本店と全国各地にある32の支店、14の国内事務所および7つの海外駐在員事務所で構成されています。
政策委員会
政策委員会では金融政策の運営、業務の基本方針を決めます。政策委員会は日本銀行総裁と2人の副総裁、6人の審議委員の計9名で構成。委員会構成員は衆参両議院の同意を得て内閣が任命します。任期は5年です。
日本銀行とFX

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トレードの際は、日本銀行の金融政策の基本方針を決める政策決定会合の日は要注意です。政策決定会合で決まる政策金利などの具体的な金融政策の方針は、通貨の価値に直接的に関係するものが多いので、政策決定会合の前後や、政策の公表とその後の中央銀行総裁のコメントの時間帯の前後に日本円で激しい値動きが見られることがあります。
このことは他の国の通貨に関しても同じで、アメリカの金融政策の方針を決める会議や理事会ではアメリカドルの値動きが大きくなったりします。ポンドやユーロに関してもそれぞれイギリス、ユーロ圏の金融政策の方針の発表を受けて、大きな値動きが生じることがあります。
まとめ

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日本銀行の政策決定は、私たちの暮らしにも深く関係します。銀行などの金融機関にお金を預けても利息がほとんどつかない位に低金利なのは、日本銀行が政策金利を低い水準に定めていることが関係している部分が大きいです。また、住宅ローンを金融機関が決める際の参考となる長期金利が低く抑えられているのは、日本銀行が金融緩和策の一環で国債を大量に買い続けていることが関係しています。

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