FXはスマートフォン一つで投資できることが人気ですが、どのような仕組みで取引を行えるのかについて関心を持つ方は少ないかもしれません。今回ご紹介するインターバンク回線はFXの仕組みを理解する上で知っておきたい情報です。
インターバンク回線とは

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インターバンク回線とは銀行間をオンラインで結ぶ回線のこと。外国為替取引はこの回線を通じて形成される「インターバンク市場」と呼ばれる市場で行われています。FXと株取引の大きな違い、それは株取引が公設の証券取引所を通じて行われるのに対し、FXは公設の証券取引所がなく、インターバンク回線を通じて行われるという点です。
インターバンク回線はFXのような外国為替以外にも、銀行間の短期の資金融通にも利用されていて、そこでは当事者(銀行)同士の合意で成立する「相対取引」の形で取引が行われています。「相対取引」は1対1の取引と理解しておけばいいでしょう。
インターバンクとFX業者

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私たちのような一般の人は、このインターバンク回線を通じてインターバンク市場に直接アクセスすることはできません。そこでインターバンク市場のプレーヤーである銀行と、一般の人との間を仲介する役割を果たす機関が必要。その機関がFX業者となります。
FX業者は一般の顧客と契約することで、インターバンク市場の為替レートを基準にした独自の配信レートを顧客に提供し、顧客はコストを支払って、その配信レートをもとに売買の判断をしながら取引に参加します。
取引上のリスクと注意点

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インターバンク回線を通じた外国為替の取引は、公設の証券取引所を通じて行われる取引と違い、取引当事者同士の合意で決まる「相対取引」なので、次の点に注意が必要です。
- 配信レートはFX業者で異なる
- 取引システム等はFX業者で異なる
- 証券取引所という取引当事者以外の第三者の監視がないので、値幅制限(サーキットブレーカー)のような機能が弱い
証券取引所という取引当事者以外の第三者の監視がないので、配信レートや取引システム等はサービスを提供するFX業者で差が出ます。また突発的な値動きに対して証券取引所ではストップ高やストップ安といった取引を中断する値幅制限が働きますが、FXでは強制ロスカットという仕組みが働かなければ値動きに歯止めが利かなくなる場合があります。
FXでは強制ロスカットという仕組みが働かないケースとしては、売り一辺倒、買い一辺倒といった極端な注文が殺到したときにインターネット回線が一時的にダウンしてしまって、出した注文が約定したいタイミングで出来なくなり、結果的に膨大な損失を被るケースがあります。
まとめ

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FXをこれから始めるという方は、次のことを理解しておくといいでしょう。
- FXは公設の証券取引所がなく、インターバンク回線を通じて行われる
- FXは「相対取引」
- 配信レート、取引システム等はFX業者で異なる
- FXは値幅制限(サーキットブレーカー)のような機能が弱い
- 回線を通じた取引なので、回線ダウンによる損失を受ける場合がある
スマートフォン一つあれば取引でき、株やその他の投資商品と比べて取引コストが安いFXですが、急激な値動きに対して脆弱な部分があるということに注意しておきたいです。

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